果皮に保湿効果 高森の会社、化粧品開発へ 長野

1月15日の毎日新聞で、「市田柿コスメ」の取り組みが紹介されました。

2016.01.15 毎日新聞

市田柿 果皮に保湿効果 高森の会社、化粧品開発へ /長野
 飯田・下伊那地方特産の干し柿「市田柿」の果皮から抽出したエキスに、高い保湿効果があることが分かった。皮を使った化粧品開発を進めている高森町の菓子製造販売「マツザワ」がモニター調査で確認。同社は20〜22日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる世界有数の商談展示会「国際化粧品展」で発表する。
 JAみなみ信州管内で生産される市田柿は年間約1250トン。その際に発生する皮の量は推計同約750トンに上る。同社はこれまで農業残渣(ざんさ)として捨てられてきた皮に着目。皮には肌の老化を防ぐタンニン(ポリフェノール)などの成分が豊富に含まれ、化粧品開発を思いついた。
 モニター調査は横浜市の化粧品メーカー「グランデュール」と連携し実施。昨年11月から1カ月間、モニター14人の左腕に果皮エキスを配合した美容液を塗ってもらい、何も塗っていない右腕と肌の水分量を比較。その結果、左腕の水分量が右腕より全員多くなり、平均で2倍以上だった。一般的な美容液の試験より高い数値だという。
 同社は今後、飯田市出身のメーキャップアーティスト、小椋ケンイチさん(47)や公募した一般参加者を加えてフェースマスクやスキンクリームなどの開発に取り組み、3月にはご当地コスメとして商品化したい考えだ。
 皮は同JAから買い取っており、廃棄物の有効活用だけでなく、柿生産者の収入増にもつながることが期待される。同社の森本康雄・開発営業部長は「地域経済の活性化に寄与できればうれしい」と話している。